究極のエコロジー

郵便サービス、全国8割が赤字 収支は都市部が下支え

郵便は、約8割の873地域が赤字で、その合計の赤字額は1873億円だった。電子メールの普及で郵便物が減り、地方では人口減で集配などの採算性も悪化している。ただ、東京、大阪など都市部を中心にした残りの地域が計2059億円の黒字になり、郵便事業全体では186億円の黒字だった。

ネット通販がこれだけ普及して物流は儲かっているイメージだったけど、それを上回る勢いで地方は過疎化が進んでいるのかなぁ。実店舗が小さく少ない地方こそネット通販の恩恵がありそうなものだが、お年寄りはポチるまでのハードルが高いのかもしれない。

4月からクロネコメール便が廃止になった。法律で禁止されている信書が送られるリスクを防ぐためなどと言っているが、単純に儲からなくなったからでは?と勘ぐってしまう。僕はヤフオクで落札された商品の発送にメール便をよく利用していたので、4月からは普通郵便を使う機会が多くなった。同じように郵便に流れる人は多そうだから、少しは持ち直すかな?

そろそろ民間は(収益次第だが)地方を撤退してもいいんじゃないかと思う。ただでさえ少ない地方のパイをみんなで奪い合った結果が今の赤字体質につながっている気がする。であれば採算が合わない地域は郵便局に任せて撤退してしまえば、郵便局は物量が増えて採算が改善するし、民間もお荷物だった集配所や人員を削減できて、浮いた費用で他のサービスの質を向上できると思うのだが。

でも実際にやったら郵便が残るとはいえ「見捨てるのか!」っていう反発がすごいんだろうなぁ。ブランドイメージが失墜しそうだ。やるとすれば全ての民間サービスがせーのでやるか、業務提携して採算が合わない地域の集配所は共同で運営するあたりだろうか。もうやってるかもしれないけど(よく調べず適当に書いてます)。

このニュースでもうひとつ感じたのはエコロジーが進んできたなーということ。前に森博嗣の本で「エコとは移動させないこと」とあって納得した覚えがある。

例えば僕はDMMの宅配レンタルサービスを契約していて定期的にDVDが届く。個々人が車でツタヤに借りに行くより、効率的な物流システムに乗っかる宅配レンタルのほうがエコだろう。徒歩圏にツタヤがある人はその限りではないが(実は家の近所にもツタヤはある。宅配レンタルを利用している理由はエコじゃなくエロw)。

逆にテレビやストリーム放送で映画を見るのに比べると、宅配レンタルはエコじゃない。こんな感じで人の移動からモノの移動へ、モノの移動から情報の移動へ、物理的な移動を減らして資源の消費を抑えることがエコなんだと思う。

今までこの流れはソフト面を中心に進んできたけど、3Dプリンタの出現でハード面でもその可能性が期待できるようになってきた。Amazonでポチって荷物が届くのを待つのではなく、データをダウンロードして自宅の3Dプリンタで印刷する。現在のインク?(素材)は樹脂だけど、もっと万能で有機的な素材が登場して食べ物が印刷出来たら素敵だ?

そうなると外出する理由って、先の例なら大スクリーンで映画を見るとか、人と会うとか、スキーや海水浴といった自宅でできない「体験」をしたいからということになる。それも大スクリーンなんかの視覚的な体験であれば、Oculus Riftを始めとした仮想現実で実現されつつある。海の香りや雪山を滑走する感覚なんかも再現できるようになれば、もう外出する理由が無くなってしまう。

究極のエコ社会とは、五感とネットを接続して情報のみをやりとする攻殻機動隊みたいな世界なのかもしれない。

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