アミューズミュージアムへ行く

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ぐるっとパスを利用してアミューズミュージアムに行ってきた。

基本情報

アクセス:東京メトロ銀座線「浅草駅」から徒歩約5分
開館時間:10:00~18:00(入館は17時30分まで)
休館日:月曜日
一般料金:1080円
所要時間:約40分
コインロッカー:あり(100円返却式)
写真撮影:OK
行った日:2015/5/26

感想

外観は絶賛工事中のアミューズミュージアム。1Fはミュージアムショップというよりは外国人向けのお土産屋で、店の奥の方に美術館の受付がある。ちょっと分かりづらい。

二天門のすぐそばにあるので外は大変な賑わいなのだが、美術館の中は静まり返っている。浅草のエアポケットと名付けよう。僕が見た客は入れ違いに出ていったおじさんと、白人男性の2名。分かりにくい受付や1080円という強気な価格設定は、商売する気があるのか窺わしい。まあゆっくり見れるからいいんだけど。

受付でぐるっとパスを提示すると、ネックストラップ付の通行証を渡される。2階から上が美術館なのだが、2Fの一部は即売会?になっており、そこの客と区別するために身に着けなければならないらしい。メンドクサイシステム。2Fには受付横の非常階段のような階段を上ってい行くので、その即売会にふらっと訪れる客がいるのかかなり疑問だ。数少ない美術館帰りの客をターゲットにしているのだろうか。

「布文化と浮世絵の美術館」ということで、現在は「布の絵画BORO ~美しいぼろ布展~」(終了会期未定)が企画展示されている。ただ常設展もぼろ関連なので、常設展と企画展の境がよく分からなかった。

第1展示室【常設展】BORO

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全体の様子。ここの展示物は撮影OKだけでなく、お触りもOK。美術館というよりはどこかのセレクトショップのよう。

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ドンジャとよばれる寝間着兼布団。冬の夜は家族が裸でこのドンジャを被って眠ったそうだ。今なら遭難シーンのような光景だが、当時はそれが日常だったんだなぁ。中には麻屑が入っていて重さが14キロ!あるそうだ。

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究極のダメージ加工といったところだろうか。いまファッションとして評価されているようだが、昔はコレ来てたら馬鹿にされたり憐れまれたりしたんだろうから、いかにファッションがいい加減で水ものなのかが分かる。流行を追うよりオーソドックスで行きたい。

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足袋?のコーナー。「漬物」「麺類」の文字が見える。もう片っぽは読めない。元は暖簾か何かだろうか。初めはそれぞれ違う用途で生まれた布が、形を変えながら最後に落ち着いたのがこの足袋達なのだろう。

第2展示室【常設展】「民具倉庫」

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雰囲気がガラっと変わって、次元の狭間に迷い込んだような感じ。あとゴスロリ少女があれば完璧。

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もっとも衝撃を受けたエリア。4000年前の縄文土器が普通に置かれている。ケースに入れられてなければ、ワイヤーで固定されてもいない。あまつさえ名札を直接クリップで止めるという扱いの雑さ。

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こちらは8000年前の土器。先ほどの土器と比べると文様もシンプルだ。4000年かけてあの文様を手に入れたのだろうか。それに比べると、わが現代は失われた10年、20年などいわれているが、とてつもない速さで進化してるよなぁ。そしてそのまま滅亡へと駆け抜けていきそうだ。現代人よ生き急ぐな。(ていうかチョットぶつかったら簡単に倒れそうなんだよなぁ。この壺)

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こちらは4500年前のもの。床に直接置かれている。傘置きかゴミ箱と見間違うさりげなさ。

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唯一ガラスケースに格納展示されていたもの。

それにしてもこんな軽い扱いで良いのか縄文土器。これほど間近でしかも直接見たのは恐らく初めてで良い体験なのは確かなのだが、土台のLED照明がいろんな色に移り変わって目障り。普通に電球色いいんだよ。いろいろ残念な展示コーナーだった。

第3展示室【常設展】「夢の跡」

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黒澤明監督の映画「夢」に使用された衣裳。黒澤映画って白黒のイメージで(黒澤って名前も一役買ってそう)カラー映画の印象がなかった。カラー映画にふさわしい色鮮やかな衣装が並んでいるが、映画用に作られたものではなく、当館の名誉館長である田中忠三郎(1933-2013)が収集した本物の民族衣装。他にも撮影風景のパネルや黒澤と田中の手紙のやり取りが展示されていた。

第4展示室【特別展】

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再びのBORO。ここが企画展だったのかと今更ながら気づいた次第。1Fはショップ風だったが、こちらは美術館っぽい。あとお触りNG。

屋上

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テラスになっていて浅草寺を俯瞰できる。平日だが外国人や修学旅行生で賑わっている。穴場的スポットだが、カラスが寄ってくるのであまり長居は出来ない。

その他

「布文化と浮世絵の美術館」だが浮世絵成分は薄め。屋上へつづく階段に東海道五十三次のレプリカが飾ってあり、浮世絵シアターなるミニ映画館で40分ほどの浮世絵解説映像が流れていただけだった。ちなみに客はいなかった。

まとめ

いろいろ突っ込みどころの多い美術館だった。通常料金で入るには躊躇する値段だし、仮に入ったら損した気分になりそうだが、ぐるっとパスなら気軽に入ることができる。というかぐるっとパス前提の美術館のような気もする。

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BORO―つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化
BORO―つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化

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