ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションへ行く

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ぐるっとパスを利用してミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションに行ってきた。

基本情報

アクセス:東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」から徒歩約1分
開館時間:11:00-17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日、年末年始、夏期、展示替え期間等
一般料金:600円
所要時間:約30分
コインロッカー:なし(受付で無料で預かってもらえる)
写真撮影:NG
行った日:2015/6/23

感想

1FとB1Fのこじんまりとした美術館。施設名にも入っている浜口陽三の作品を展示した美術館だが、企画展「浜口陽三・丹阿弥丹波子 二人展」が開催中だった。(6/30まで。現在は終了)

作品はメゾチントとよばれる銅版画がメイン(というかオンリー)。基本は白黒で、たまにカラーの作品がある。カラーメゾチントと呼ばれる浜口陽三が開発した技法らしい。ただ、メゾチントという作品の性質上、小ぶりな(30cm四方ぐらいの)作品が多く、モチーフも果実や小動物といったものばかりなので、色が付いたとはいえ地味な印象は拭えず、素人の自分からすると「見応え」が足りない。いろんな絵画を見てきて、少し違った質感の作品が見たい。という上級者向けの美術館という感じがする。

1Fではメゾチント作品の制作の様子がビデオ上映されていた。美術館制作のビデオではなくNHKで放送されたテレビ番組で、今回の二人展の丹阿弥丹波子(たぶん本名。スゴイ名前だ)を特集したものだった。ワイドではない4:3の映像で、かなり昔の番組っぽい。

ビデオで驚いたのが、一番初めに行う「目立て」という作業。ベルソーという道具を使って、銅板全体に線を刻んでいく。それが終わると先ほどの線に対して垂直にまた線を刻んでいく。この時点で碁盤の目のようになっているが、さらに今度はななめの線を刻んでいく。この作業を終えるのに、なんと1ヶ月ほどかかるという。

漫画でいえばベタ塗りやトーン張り、料理人なら皮むきみたいなアシスタントに任せてもよさそうな作業だが、この目立てで作品の印象が変わってしまう大事な作業なんだろう。ただ1ヶ月とは…その後のメインの彫り(というか叩いて凹ませる作業)は楽しくでしょうがないだろう。

映像の丹阿弥氏も高齢に見えたので、故人かなと思いながら作品を見ていたら、どんどん新しい作品が出てきて最後の作品は2014年のものだった。90近いがご存命のようだった。

ところで、版画だから何点でも複製できそうだが、幾らぐらいするものなのだろうか。カード大の作品もあったので本物が売ってないかちょっと期待したのだが置いていなかった。ヤフオクで見てみると浜口陽三の26.5cm四方の作品で7万ぐらいだったので、カード大なら1万くらいだろうか。これが安いのか高いのかよく分からないが、手が届く価格ということは、やはりある程度の量が刷られているからだろうか。

浜口陽三 (ポストカードブック―PRINTART COLLECTION)

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