インカムゲインは優待7配当金3

株主総会で株主優待の新設・拡充を求めると「優待はIRの一環で、株主への利益還元はあくまで配当で~」と受け答えされるのはよくある光景だ。しかし株主優待には配当を上回る魅力がいくつもある。株主優待の利回りを正しく評価することで、高く安定した利回りを確保できると考えている。

現在は100株以上の銘柄を保有していて、利回りの平均値は税引後で5.05%である(最近の株安で利回り上昇。やったぜ。泣)。内訳は優待利回りが3.11%、配当利回りが1.94%で優待利回りの方が高い。そういう銘柄を好んで保有している。

配当利回りより優待利回りを重視する理由

以下の4つを挙げてみた。

・税金がかからない

・安定している

・隠れ優良銘柄がある

・リスクが分散される

税金がかからない

1000円の利益還元を配当金として受け取ると、約20%が税金で消えて手元に残るのは800円足らずとなる。優待でクオカードという形なら1000円分のまま受け取れる。現金に変えるにしても90%以上の換金率があるので、やはり優待の方が有利。

安定している

多くの企業は配当性向(例えば30%)を基準として設け、それに従い配当金を決めている。利益が出ている時は良いが、減益や赤字になってしまうと配当金も減少、最悪無配になる恐れがある。そういう局面でも株主優待は安定している。

例えばワタミ(7522)。居酒屋事業の不振から赤字→無配に転落してしまったが、優待は継続している。ワタミの優待は自社店舗で使用できるお食事券というスタイルなので、原価はほぼゼロである。使用されると利益が減るが、呼び水となって売上が上がるかもしれない。また使用されない場合もある。そのような理由から無配にはなったが、優待は維持しているのではないか考えている。

一方でクオカードなどの金券を優待に設定している企業は業績悪化に伴って優待も改悪される恐れがあるため、同じ利回りの優待でもクオカードなどの金券より、お食事券やポイントなどの方が好みだ。

隠れ優良銘柄がある

これはスクリーニングし辛いと同義かもしれない。配当利回りなら一目瞭然だが、優待利回りは優待の価値を現金に換算して判断する必要がある。

地方の店舗の買い物券やマイナーな施設利用券などの優待の価値が分かりにくい銘柄は、雑誌でも特集されず安く放置されている場合がある。しかし一見使い道が分からない優待も、一部に需要がありヤフオクで高値で取引されるものもある。その2つが重なると隠れ優良銘柄となる。

リスクが分散される

「優待利回りの良い銘柄」というテーマで選んでいくと、色々な業種の銘柄が揃ってくる。また利回りを追求すると1単元保有が最も効率がよいケースが多く、少額の銘柄を多数保有するポートフォリオができあがる。

日本株という共通点はあるが、十分リスク分散されていると考えている。これらの銘柄が揃ってダメになる時は世界も終わっているだろうから、大人しく諦めましょう。

電話で売買するような時代ならともかく、今はネットで管理する時代。100以上の銘柄を保有しても管理は難しくない。デメリットは郵便物が大量になることか(6月はとても長期に家を空けられない)。

1憶は無理だが3000万を5%で運用する自信はある

以上が、優待銘柄推しの理由である。当初からの考えもあれば、投資の中で気づいた副産物的なものもある。

最近の問題はおいしい優待銘柄が少なくなってきたこと。最近買った銘柄の優待+配当利回りは3.5~4.5%程度。保有銘柄を増やすにつれ、全体の利回りは低下していくだろう。

ただ3000万を5%運用できれば年間150万円。持家や実家暮らしなら、なんとか生活できる収入だろう。もう少し贅沢したければ、給与所得控除の65万円ほど働けばよい。

優待重視の投資はセミリタイヤと相性が良いと感じている。

株主優待ハンドブック 2015-2016年版 (日経ムック)

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