ScanSnap S1500をレンタルして初自炊してみた
先日お伝えした通り、DMMいろいろレンタルでドキュメントスキャナ「ScanSnap S1500」をレンタルし、初めて自炊というものを経験してみた。レンタル期間は2泊3日で3650円(税込)。これには到着日と返却日も含まれるため、実際に使用できる時間は48時間ほど。
用意してた裁断済みの本はほぼ全てスキャンでき、仕上がりにも満足しているが、問題も結構発生したので初日から順にレポートしてみます。
1日目
短期決戦なので1分でも早く作業を開始したいのだが、午前中を指定してたスキャナが届いたのは12:20。
配送用のダンボールの中に緩衝材とスキャナの箱が入っていた。かなり使い込まれた感が…。いったい何人の人間が使用してきたのか。
内容物。本体は想像よりかなり小さい。取説もボロボロで丁寧に扱わないと折り目が破れそう。
設置完了。電源とUSBをつなぐだけなので簡単。
手探りで設定をいじりながら表紙カバーをテストスキャン。いい感じだが途中で切れている。長さは最大36cmまでしかスキャンできないようだ。
続いて中身(「中身」っていう表現がイマイチだけど他に良い呼び方がない…)。カラー、白黒、グレーなどを試してみたが。グレーとカラーが良さげだったので、表紙と同じカラーでスキャンすることにした。
スキャナの設置、ソフトのインストール、一応の作業手順が固まったのが14時くらい。まずは裁断した本の9割近くを占めるB6判の単行本からスキャンを開始した。初日なので作業しながら手順を改善していった。
問題1:画像の向きがおかしい。スキャナも自動判定で補正してくれているのだが、吹き出しがないページは上下が判別できないのか、よく間違っていた。
対策:そもそも原稿を横にセットしていたので、向きの自動判定が実行されていた。上向きセットオプションをONにして、原稿を上向きにセット。また、向き自動補正オプションをOFFに。
問題2:後ろのページからスキャンされるので、ジャムったら最初からやり直し。
対策:上向きセットオプションをOFFにして、原稿を下向きセットに変えた。これで前の方のページからスキャンされるようになり、ジャムってもその前のページからスキャンを再開できるようになった。
ちょっと考えれば分かりそうなものだが、初めはスキャンできるだけで感動しているので、なかなか無駄に気付かない。数冊スキャンして慣れてくると「なんとかならんのかコレ」と不満点が出てきて、改善していく感じだった。
初日の問題はこれぐらいで、あとは割とスムーズだった。もっとも、気付いていないだけで、問題は増殖していたのだが…
初日は25時まで作業して、67冊のB6判単行本のスキャン完了。
2日目
唯一フルで作業できる日となる。初日は昼からの作業で手探り状態だし、3日目は17時までにスキャナを返送する必要があり、梱包する時間や業者が引き取りが遅れた場合なども考慮すると、せいぜい15時ぐらいまでしか作業ができない。裁断済みのすべての本をスキャンできるかは2日目の進捗にかかっている。
と言っても、初日の進捗がなかなかよかったので、割と楽観していた。8時ごろから作業を再開して、昼過ぎまでに34冊。1冊あたり平均7分30秒となかなかのペースだったが、このあたりで色々問題が発覚する。
問題3:見開きの左右で色合いが異なる。読めない訳ではないが、作品によってはかなり差があって、違和感を感じる。
対策:ファイルサイズも対して変わらなかったので、中身も表紙と同じカラースキャンしていたが、中身はグレーでスキャンするように変更。
問題4:表紙カバーのスキャン画像にキズのような線が入ってる。かなり前からの現象らしく、昨日の夜ぐらいから起きていた模様。
対策:中身のスキャンを繰り返す中で、裁断面の糊がスキャナの読み取り部分に付着していったのが原因。中身は端の部分なので問題ないが、表紙カバーはより広い面をスキャンするので、その部分がスキャンできず、キズのような直線が入った画像になってしまった。
問題5:スキャン画像のボケ。にじみ。
対策:すべてではないが、ジャムったタイミングからボケはじめることがあるっぽい。一旦スキャナの電源を切ると焦点距離がリセットされるのか、復活した。
いずれもスキャン画像の確認が不十分で見逃していた問題。問題3は見開き以外はそれほど気にならないが、問題4はできればやり直したいところ。ただ時間もないので、3日目に時間が余ればやり直すことにした。問題5も読めなくはないが、徐々にストレスが溜まってくるのでスキャンし直すことにした。
2日目は3時過ぎまで作業を行い、101冊のB6判単行本のスキャンが完了。2日間トータル168冊。
3日目
3時間ほど仮眠を取って、朝6:30起床。眠い目を擦りながらまずは表紙カバーのスキャンから。2日目で単行本に関しては作業手順が確立しているので、作業はスムーズ。
10時前に佐川に集荷の電話をかける。ネットからでも申し込み可能だが、時間指定の項目がなかったため電話にした。聞いてみると時間指定可能とのこと、集荷が遅れる場合も考慮して、リミット2時間前の15時に来てもらうことにした。梱包を考えると14:30頃が作業のリミットか。
B6判単行本18冊が9:20に、A5判単行本17冊が12:31に完了し、用意していた単行本のスキャンが完了した。残るは雑誌類が20冊ほど。全ては無理っぽいが残り2時間可能な限りスキャンし続ける。
と意気込んだもののジャムが頻発。経済紙などのつるつるした紙は覚悟していたが、コミック誌もジャムるのは想定外。1枚ずつ読み込むことができず、2~3ページまとめて読み込んで止まってしまう。単行本でも1冊につき1回ぐらいは発生していたが、頻度が桁違い。紙質が悪いせいだろうか?
いろいろ試したが、3~4枚ずつ付きっきりで給紙し続けるしかないみたい。かなり疲れる。ちょっと調子が出てきたかなと思って大目に給紙するとジャムってうんざりする。結局時間までに7冊程度しかスキャンできなかった。(しかも最後の方は嫌になってきて、かなり抜けてるページあり。)
14:40頃で切り上げて梱包を開始。10分ほどで完了する。ケーブルひとつでも入れ忘れると延滞料(1520円/日)を取られるので、入れ忘れがないか2回確認した。佐川は予定通り15時きっかりに来てくれて、初の自炊作業が終了した。
結局表紙カバーの取り直しは出来なかったが、表紙だけなら手持ちの「CSLIDE220」で可能だから後日でいいかと思い直した。
Canon スキャナー フラッドベッド A4対応 CanoScan LiDE220
作業の分析
1冊ごとにフォルダを作成してJPEGファイルを格納していったので、フォルダの作成時間を一覧化してスキャン作業について分析してみた。雑誌はかなり効率が悪いしサンプル数も少ないので単行本のみを対象にしている。
日にち | スキャン冊数 | 作業時間(分) | 作業時間(時分) | 平均時間(分秒) |
---|---|---|---|---|
1日目 | 67 | 656 | 10:56 | 09:56 |
2日目 | 101 | 1052 | 17:32 | 10:31 |
3日目 | 35 | 306 | 5:06 | 09:00 |
計 | 203 | 2014 | 33:34 | 10:04 |
・3日間で203冊の単行本をスキャンした。単行本に関しては予定していた(裁断していた)本のほぼすべてをスキャンすることが出来たのでそこは満足。
・トータルの作業時間は33.5時間。2日目なんか17.5時間も作業してる。(リーマン時代で例えると9.5時間残業。)我ながら頑張ったなー。おそらく仕事辞めた後で一番頑張ってるw
・1冊あたりの作業時間は平均10分。スキャン以外の時間(ご飯や買い物)や手戻りの時間も含んでいるので、手順が確立したら3日目の9分ぐらいで作業できそう。
・スキャナレンタル費は1冊あたり18円(3650円÷203冊)。本1冊の値段が108円。amazonや楽天の電子書籍の価格と比べるとかなり安いだろう。もっとも、裁断・スキャンにかかる人件費を考えると微妙になってくるが、そこは無職なので目を瞑ろうw
レンタルスキャナでスキャンする際の心配事としては、一度も試さないままに本を裁断し続けていたので、まったくスキャン不可能で紙クズを量産しただけという結果になったらどうしよう、というのが一番の不安だった。その点では普通に読める電子書籍が完成したので一安心している。
また、大体の作業時間も分かったので、次回レンタルする際は対象の冊数からレンタル日数を見積もれるので、これも収穫だ。
雑誌がうまくスキャンできなかったのは元々の仕様だろうか?それともスキャナが経年劣化してダメだったのか?後継のiX500ならうまくスキャンできるのか?
次回はiX500をレンタルしてその辺の検証や、作業時間がどれくらい短縮するのか試してみたい。まあ今回のスキャンで押し入れがだいぶスッキリするのでしばらくは先の話ではあるが…。電子書籍は100円ぐらいで売ってくれたら、こんな苦労はしなくていいんだけどなぁ。