映画「金メダル男」感想 ~目指すはスペシャリストかユーティリティプレイヤーか

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東京テアトルの株主優待で、ウッチャンの「金メダル男」見てきた。コント的な面白さが数多く盛り込まれている一方、時折ホロリとさせられるいい映画でした。以降ネタバレ全開。

まずオープニングでひと笑い

本編の内容を暗示しているのか、チャップリンや桑田佳祐などの著名人の名言がスクリーンに映されるのだが、そこに出川の名言?もしれっと出てくるw

首以外の骨は全部折ってきた

出川哲朗

微妙に名言っぽいんで笑う所なのか判断に迷うが、「出川哲朗」という名前でもう笑ってしまう。失礼な話だが芸人としては本望?

(内さまで変わった形で出川が出ると言ってたのはこれのことかぁ)

あらすじ

主人公の秋田泉一の挑戦と挫折を辿る物語で、泉一が生まれた1964年から現在(2016年)まで、その時々の流行やヒット曲を織り交ぜながら物語は進む。タイトルから連想されるオリンピックはほぼ無関係。泉一が生まれた1964年が東京オリンピックが開かれた都市であるのと、小学生の頃に徒競走で1等賞を獲ったことをきっかけに、あらゆることにおいて1位(金メダル)を目指すようになるのに由来している(と思われる)。

泉一の人生をことわざで表せば「十で神童十五で才子二十過ぎればただの人」「二兎追うものは一兎も得ず」という感じ。小学生の頃はやる気と努力で快進撃を続けていたが、中学に入ると体格、学力ともに伸び悩み1位をとれない日々が続く。それでも諦めない泉一は1位を取るべく色々なことに挑戦するのだが、どれも中途半端で歳ばかり重ねていく。

ただ、挫折を重ねながらも挑戦の中で身に着けたスキルが思わぬ形で役立ち、何回かプチブレイクを果たすし、結婚して子宝にも恵まれて最終的にはハッピーエンドを迎える。

何でも屋か?スペシャリストか?

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劇中には笑福亭鶴瓶が演じる寿司屋の親父が出てくる。彼は泉一とは正反対で寿司一筋。色んなものに手を出しては失敗する泉一に「ひとつの事をまっとうするのも大事」と諭す。

劇中では対照的な2人であるが、どちらもある程度の成功を収めた。では現実ではどちらの生き方が良いのか?たぶん世の中的には親父みたいな生き方が好まれると思うがリスクもある。その道を極めたは良いものの、その産業自体が衰退してしまったり、取って代わる技術が生まれたりするとピンチだ。潰しが効かないというやつ。

かといって何でも屋タイプも簡単な仕事であれば機械に奪われる危険があるし、年齢が上がってくると同じスキルなら若い人間が選ばれる場面が増えてくるだろう。やはりある程度の専門性は必要そうだ。

目指すならスペシャリストが良いが、重要なのはそのジャンルに将来性があるかという点。しかし機械がどんどん賢くなっている昨今その見極めも難しい。何でも屋というと聞こえが悪いが、新ジャンルのスキルを短時間で習得できる基礎力と柔軟性も重要になってくるのではないかと思う。

これは内村の自伝的映画なのだろうか?

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ところでこの映画は内村光良の自伝的映画なのだろうか? 内村も泉一と同じ1964年生まれだし、劇中で披露されている社交ダンスや水泳を始め(番組の企画ではあるが)色々なことに挑戦して今日の地位を築いている。自伝は言い過ぎにしても経験則から得た、新しいことにも恐れずに挑戦していく重要性は伝えたかったことの一つではないかと思う。

あと故郷で偶然再会した高校時代の同級生が温水洋一。いや老け過ぎだろwと見てるときは突っ込んでたが、今調べてみると彼も内村と同じ1964年生まれなのね。2度ビックリ。

そして時間の残酷さを知る

あとこの映画は1964年から現在に至るまでの流行の描写やヒット曲をBGMで使っていて、ある時点から急にリアリティが出てくる。最初はテレビでしか見たことがない昭和の世界観なのだが、ミスチルの「Tomorrow never knows」が流れたあたりから、自分の過去の記憶と融合してきて「あぁ、そういう時代だったなぁ」とひとりごち始める。このラインは観る人によって違うだろうけど。

あと衝撃的だったのだが、割と早い段階で時代が昭和から平成に変わるのだが、今見ると平成のシーンも古く感じるのだ。「平成」という単語から感じるフレッシュ感とのギャップに戸惑いを隠せないw

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それもそのはずで1964年からの昭和時代は1989年の25年間。平成は28年なので泉一(内村光良)の人生で考えても、もう平成のほうが長いのだ。温水洋一で考えるともっと衝撃が増すがw

今も昔も同じ「平成」なので忘れがちだが、もう四半世紀以上も前なのだ。そりゃ古く感じるわけだ。そしてこれからも少しずつ気付かせないように老いていって、たまに振り返っては愕然とするんだろう。何かを始めるのに遅すぎることはないが、今が一番若いというのも事実。死に際に後悔しないようにやりたいことがあるな今すぐ始めよう。

優待も消化完了

さて、これで東京テアトルの優待8~10月分を使い切れた。

東京テアトル(9633)の株主優待@映画無料券
東京テアトル(9633)の株主優待が到着しました。 会社概要 主力は賃貸、リフォーム等の不動産事業。映画配給・興行、飲食店も。銀座旗...

見た映画は、
KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV
・傷物語 Ⅱ熱血篇
・シン・ゴジラ
・金メダル男

話題の「君の名は」は東京テアトルグループではやってない模様。残念。普通にお金払って観る手もあるが、客はカップルばかりという情報を得て躊躇している。

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