御開帳中の善光寺へ行く

少し間が空いてしまったが、信州旅行で4か所目に訪れた善光寺をご紹介する。僕も友達もどうしても行きたい、という場所ではなかったが、一般的に長野に寄ったら善光寺みたいなところもあるし、ホテルからも近いし、なにより七年に一度の御開帳ということで、もったいない精神から予定に組み込んでみた。

門前

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長野駅から徒歩20分程度の手頃な場所にあり、長野駅から5分も歩けば門前の雰囲気が味わえるので、駅から歩くのがいいと思う。

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まず見えてきたのが仁王門。山号の「定額山」(じょうがくさん)の文字が見える。意味を調べてみたが見つからなかった。

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仁王門をくぐり一層にぎやかになった参道を進むと山門が見えてきた。重要文化財だが500円で楼上に上ることができる。今回はスルー。

本堂・回向柱

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国宝の本堂の前に屹立している柱が、御開帳の間のみ設置されている「回向柱(えこうばしら)」だ。この柱と御開帳されている前立本尊の右手が糸でつながれており、柱に触ることは本尊に触れるのと同じご利益があるそうだ。平日ではあるが柱の前は結構な人だかりで、触れるまでに結構時間がかかった。それでも休日に比べれば空いているほうなのだろう。

本堂は「外陣」と呼ばれる範囲までは無料で入ることができる。内陣券(500円)を買うと「内陣」まで入ることができ、前立本尊を近くで拝むことができる。折角なのでこちらは購入した。内陣券ではこのほかに、お戒壇めぐりと善光寺史料館の入場が可能。内陣券に付いてきたペーパーには内陣参拝やお戒壇めぐりの順路が図で示されていて分かりやすい。お戒壇めぐりは前立本尊の周りを一周する順路が示されていたため、さらに近くで前立本尊を見れるのだろう、と本文はろくに読まずに判断してしまったのだが…。

お戒壇めぐり

お戒壇めぐりの列に並ぶと、5分もしない内に我々の番がきた。しかし、まず階段を下って地下に進むようだ(おや?)。そして直ぐに視界が真っ暗になる。完全に想定外。どゆこと?

暫くすれば目が慣れるかと思ったが、僅かな光もないため、いつまで経っても闇。これは中々面白い体験だなと思った。就寝前にカーテンを閉めて電気を消しても、窓からは街頭の灯りが入ってくるし、それまで気づかなかった電化製品の僅かな光が急に存在を主張してきて、だんだんと部屋の輪郭が分かるようになる。映画館も照明が落ちた一瞬は暗いが、補助灯はあるし、すぐにスクリーンが眩しく輝きだす。完全な闇というのは中々体験できない。一体いつ以来だろう。もしかしたら産道をくぐって以来かもしれない。それくらい覚えがない。

昔は夜になれば何も見えなくなるのが当たり前だったのに、火が発見されて、それがランプやLEDに進化して、闇をどんどん削ってきた。当然、資源や労力やお金をかけて。いつしか明るいのが当たり前になり、そして今、お金を払って暗闇を体験している。

午前中の戸隠はこの音バージョンといえる。無音の雪山は普段の生活でどれだけ音に囲まれているかを再認識させてくれた。ここ最近、音を売り物にしたCDが売れなくなり、ストリーミングで聞き放題のサービスが出てくるなど、音の価値が下がってきた気がする。それに反比例して静寂の価値が上がってきているのではないか。そんな気がする善光寺。閑話休題。

ところでお戒壇めぐりは、暗闇を楽しむ催しではない。本尊の真下にある「極楽の錠前」を探し当てて触れることで、本尊との結縁を目指すことが目的らしい。右側の壁伝いに人が集中していると気づいた僕は、左側の壁を伝ってすいすい進んでしまった。本尊の周りを時計回りに一周しているので、本尊と繋がっている錠前は当然右側にある。さらに持っていた内陣券を途中で落とすという痛恨のミス。券を探すことも、戻って錠前に触れることも、再挑戦することも叶わないという、散々なお戒壇めぐりとなった。また今度機会があればチャレンジしよう。

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ところで気になったことが1つ。先に述べたように回向柱は前立本尊とつながった柱だ。前立本尊(七年に一度公開)もレアであることは間違いが、言うなれば本尊(絶対秘仏で非公開)のレプリカである。であれば本尊とつながった錠前のほうがご利益がありそうな…。おや、誰か来たようだ。

その他

券を紛失した僕は史料館を見に行った友達とは一旦別行動となり境内を見て回った。

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この鐘の音を合図に1998年の長野オリンピックが開幕したらしい。当時見たかもしれないが、もう覚えていない。

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リラックマ絵馬。調べてみると全国的に流行中っぽい。修学旅行生目当てだろうか?妖怪ウォッチではないのが救いか。

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ミニサイズの回向柱。一番小さいのは1000円で売っていた。

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かなり遅い昼食となった。お蕎麦&おやきと定番中の定番。おやきは春らしくふき味噌。ウマス。

ほぼノープランだったが、流石は大寺院で見ごたえがあった。御開帳は5月31日まで。断然平日がオススメなので、無職の方は見に行かれてはいかが?

次回予告

次回は国宝・松本城です。

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