2017年新春旅行 2日目(江田島)
2017年新春旅行の2日目は江田島。読み方は「えだじま」ではなく「えたじま」。間違える人が多いのはだいたい塾長のせい。
ルート
江田島へは色々なアクセスの仕方があって、1日目は呉に泊まって呉→江田島→広島と行くルートも考えたが、やはり広島駅周辺に比べると呉の宿泊施設は種類が少なく値段も高いため不採用。重い荷物も持ち歩かないといけないし。
今回のルートは以下の通り。
行き:広島港(宇品)から小用港へ
帰り:中町港から広島港(宇品)へ
島内の移動
上の地図にあるように各港にはレンタサイクルがあって当初はそれを利用しようと考えていたが、これがかなり使いづらくて結局徒歩とバスでまわることにした。
ここが変だよ江田島レンタサイクル
1.利用には1週間前にFAXで利用申請が必要
まずFAXというのが「今どき!?」と目を疑う。また1週間前に予約して当日雨だったら悲惨である。やっぱり当日の見てレンタルしするかを判断したい。
2.借りた場所で返却
今回のケースで言うと小用港で借りて中町港で返却というのができない。返却には小用港まで戻ってこなければならない。いくら自転車で機動力が上がるとはいえ、来た道を引き返すのはめんどくさすぎる。島内一周が前提?
3.営業は9時から
まぁこれは普通だけど、満喫するために早朝移動を計画していたので。
特に2が致命的。いろいろ残念なレンタサイクルだった。
広島港から江田島へ
広島港と言う名前だが広島駅からは結構離れている(正式名称は宇品港)。バスまたは路面電車で30分ほど。ターミナルからは似島の安芸小富士がみえる。これは良い景色。
8:05発小用港行き。運賃は1060円。20分程度の船旅。ちなみに手前のソファは昨年G7の外相たちが座った席らしい。
途中、潜水艦救難艦「ちはや」とすれ違う(反抗戦w)。反対側に座ってたので気付いて移動した時にはもう後ろ姿。江田島ばかり見てたせいで気付くのが遅れたorz(その後しばらく落ち込むw)。救難艦とはいえ間近ですれ違うと結構な迫力だった。
8:27小用港に到着。江田島上陸!
本日の目的は旧海軍兵学校(現第1術科学校)の見学。そして、いくつかの軍艦碑巡り。
終戦間際、燃料不足により呉に投錨していた艦艇が米軍の空襲によって被害を受け着底した(呉空襲)。浅瀬なので沈没は免れたものの終戦によって多くの艦は解体され戦後復興の資材となったため呉には軍艦終焉の地が多い。
その付近には慰霊碑が建立がされていて今回はアクセスしやすい戦艦「榛名」、巡洋艦「大淀」「利根」の軍艦碑をまわってみた。
戦艦「榛名・出雲」慰霊碑
小用港から徒歩15分ぐらい。小高い丘の上にあるため距離の割には時間がかかる。
戦艦「榛名・出雲」慰霊碑。慣れない早起きで少し眠かったが、やはり神聖なものを前にすると眠気も吹き飛ぶ。艦これやってなきゃ一生行くこともなかっただろうなぁ。
碑のまわりは艦これでもおなじみの徹甲弾っぽい柵で囲われていて不謹慎ながら思わずにやり。
古鷹山
小用港に戻るとちょうど大柿方面へ行くバスが出発するところだったのでタイミングよく乗り込んだ。そのまま第1術科学校に行くこともできるが時間も早いのでちょっと寄り道。
世口前バス停で下車して数分歩くと古鷹山登山道入口に到着。巡洋艦「古鷹」の由来となった山。さらに兵学校の生徒が訓練に利用した山で、自衛隊に名前を変えた今もそれは続いているという提督なら是非一度は登ってみたい山。ちょっと登山してくる。
と言いたいところだが今回はパス。鎖場もある割と本格的な山なのでそれなりの装備が必要になるが、この登山のためだけに2週間近く実家や旅先を登山靴や登山服で過ごすのもなぁ。別に用意するのも荷物が増えるし。
と最後まで悩んだ末断念した。雨の可能性もあるし、その後の予定もタイトになるし。デメリットを列挙してなんとか自分を納得させたw。ただ、せめて登山口ぐらい拝んでおくか、とやってきた次第。
んでちょっと登ってみたが最初からとんでもない斜度。登山口は墓地になっているのだが墓参りするのも大変そう。振り返ると第1術科学校の施設が少し見える。
ふるさと交流館
そこから歩いて第1術科学校へ。まだ開始まで30分ほどあるので第1術科学校近くにあるふるさと交流館へ。入場無料。
なんか艦これのパチモンみたいなのがw
1階はカフェ、休憩所、おみやげ屋が一体となったスペース。江田島関連の資料も豊富なので情報収集にもいいかも。
2階は大広間と資料館。見学自由で入室するときに自分で電気を付けるスタイル。
戦艦「日向」の艦内新聞。読んでみたい。
謎の大爆発を起こして沈没した戦艦「陸奥」の引き上げ記事がスクラップされていた。特に↑の記事は遥か昔の遺物である戦艦が身近に感じられて心がざわっとする。
ダンケ ダンケ!
旧海軍兵学校(現第1術科学校)
さてこの旅のメインイベントとも言える第1術科学校へやってきた。平日は3回、土日祝日は4回、見学会が催されている。入場無料。
事前予約などは不要で名前と住所を書くだけと手軽なのがイイ。しかし年末(というか12月の割と早い時期から)は見学を実施していないため注意が必要。
入場後はまっすぐ指定の待合室に行くこと、でないと逮捕されると注意されるが、手荷物検査などはなかった。厳しいんだか緩いんだかよく分からないw。道中の写真撮影はOKとのこと。
待合所。ここで案内人(元自衛官)に簡単な説明を受けてから見学開始となる。僕が参加した10時スタートの回は、20人ぐらいの人が参加していた。
大講堂
見えているスロープ付きの入口は皇族専用。
生徒や我々下々の者はこちらから。
この建物は入校式や卒業式で使用されるとのこと。卒業式では壇上で証書を受け取る訳だが、中央の赤絨毯は成績優秀者(たしか4、5人と言ってたような…)しか歩けない。天井の照明は船のハンドル(舵輪)を模したもの。
床には等間隔で印があり卒業生は成績順に整列されるとのこと(ハンモックナンバー)。写真で少年が立っている隣の印がスタート地点で、学年主席が立つ場所になる。参加者には卒業生の成績が一目でバレてしまうw。昨今物議を醸している生徒間に順位を付けない教育方針とは正に対極。
ちなみに現在は先述の成績優秀者以降は五十音順に並ぶらしい。なので相川さん等は成績が悪くても前列に立てるのだとかw
幹部候補生学校庁舎
通称「赤レンガ」。こちらは外観のみの見学。あとぐるっと周って側面から↓のもっくん廊下を見ることができる。
外壁の赤レンガを促されるまま触ってみるとつるつる。イギリスから輸入した高級レンガとのこと。
「坂の上の雲」でもっくんが激走した廊下。素人が撮っても絵になる。
戦艦「陸奥」の主砲
改装によって取り外された4番砲塔で、沈没後に引揚げられたものではない。教材としてここに置かれることになったとのこと。仮にここから発射すると錦帯橋を破壊できるとのことw(当たればだが)。
普段は遠目にチラッと触れる程度だが第2・第4火曜日は間近で見学ができる(ただし後述の教育参考館は休館)。
教育参考館
見学中の写真撮影は自由だが教育参考館の内部だけは不可。山本五十六の遺髪や特攻隊員の遺書など貴重な資料が1000点ほど展示されている。40分程度の自由時間になるが全部まわりきれなかった。
戦艦「大和」の主砲で使われた徹甲弾。
駆逐艦「雪風」の碇。終戦まで生き延びた雪風は倍賞艦として台湾へ。台湾では「丹陽」の名で長らく活躍するも1971に解体。その後、碇と舵輪のみ返還された。近くで見たかった。
レストラン江田島
以上で見学コースは終了。最初の待合室まで戻って解散となった。10:00~12:00の回だったのでちょうど昼ごはんの時間帯。敷地内には食事処がいくつかあり、今回は待合室のすぐ隣の「レストラン江田島」で昼食をとることにした。
昼時だが大混雑というほどでもなかった。見学者と自衛隊員が並んで食事する不思議な風景。
海軍の食事といえばカレー。しかもこの日は金曜日で日替わり定食もカレーだったので大盛りを注文した。特盛も出来ますよと言われたが遠慮しておいたw
連日のカレー。普通盛だとご飯の山が1つ、特盛だと3つになるとのこと。これといった特徴はないが普通に美味しいカレー。530円。
近所に住んでたら定食屋代わりに毎日見学にくるのも良いかもしれない。
江田島八幡宮
腹ごなしに歩いて江田島八幡宮へ。本年3カ所目の初詣(初とは一体?)。
ここで御朱印を貰って(毎年買ってる)破魔矢を買うつもりだったが、まさかの無人。松の内だから誰かいるだろうと油断していた。「御用の方はご連絡を」とあるがバスの時間が迫っており(しかも次は1時間後)、写真だけ撮らせてもらって失礼した。
巡洋艦「大淀」慰霊碑
小用港から第1術科学校までは2kmほどだし、第1術科学校周辺には観光スポットが密集しているので徒歩でもなんとかなるが、これより先はかなり距離が開くのでバス移動になる。
江南橋で下車して1kmほど歩くと巡洋艦「大淀」の慰霊碑がある。先ほどの榛名の碑もそうだが花が活けられており地元の人に大事にされているのを感じる。
慰霊碑前の海。このあたりに転覆した大淀が横たわっていたらしいがこの穏やかな海の前で想像するのは難しい。
巡洋艦「利根」慰霊碑、資料館
大淀碑の最寄りのバス停である内海から海上ロッジ前まで最後のバス移動。この区間はバスの本数が少ないので要注意(昼間は2本しかない)。
海上ロッジ前から数分歩くと本日最後の目的地である巡洋艦「利根」の慰霊碑に到着。お供え物の数は一番多かった。猫も多かった。
慰霊碑の裏にはこじんまりとした資料館があって鍵が開いていれば見学自由。開いて無いときは海上ロッジまで行けば開けてもらえる。入場無料。
また有ったw。兵姫ストライクというらしいけど調べてもよく分からなかった。ソシャゲではないっぽいが。この子は利根なのかな?
中はこんな感じ。
資料館前の海。ここには↓のような光景が広がっていたと思われる。
中町港
利根資料館からバス停2つ分歩いて中町港へ。景色が良いので移動も苦ではない。
さらば江田島。フェリーにのって広島・宇品港へ。フェリーは30分間隔で出ているのでザックリしたプランでも待ち時間が少ないのが嬉しい。
WW2の時代にどっぷり浸かった一日だった。広島市内に戻ってきてビルなどを見るとまだ2日目なのに”帰ってきた”って感じがする。江田島のメインどころはまあ押さえたかな。これ以上は車か自転車がないと厳しいと思う。あと古鷹山にはいつか登りたい。
明日は最終日だがほぼノープラン。岩国錦帯空港から帰るので錦帯橋には行こうと思っているが…。ホテルで艦これしながら考える。