東京国立近代美術館へ行く

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ぐるっとパスを利用して東京国立近代美術館に行ってきた。

基本情報

アクセス:東京メトロ東西線「竹橋駅」から徒歩約3分
開館時間:10:00-17:00、金曜日は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日、年末年始、展示替え期間等
一般料金:420円(常設展)
所要時間:約60分
コインロッカー:あり(100円返却式)
写真撮影:OK(一部作品はNG)
行った日:2015/6/19

感想

「近代」という時代縛りの美術館。なので日本画、西洋画、現代アートなど様々なジャンルの作品がある。美術館は撮影禁止だろうという先入観があって、カメラをコインロッカー(1F)に預けて鑑賞していた。半分ほど見終わったところでカシャッカシャッとシャッターを切る音がして、ここで初めて写真OKであることに気づいた。ただもう下に降りるのが面倒だったので、今回は写真なし。

ぐるっとパスでは常設展の無料入場と企画展の割引入場が可能で、常設展のほうを見てきた。常設展は一度4Fまで上がって、3F、2Fと降りていく順路になっている。現在は「誰がためにたたかう?」というテーマの展覧会が9/13まで開催されている。

4Fにはあまりテーマに紐づく作品はみあたらないが、3Fから先の大戦を主題にした作品が展示されていた。戦闘機同士の空中戦や、上陸作戦の様子など、日本軍の雄姿を伝えるプロパガンダ的な作品が多かった。

落下傘部隊を描いた作品が何点かあって、パラシュートを広げて地上に降下している構図。青空に白い花が咲いたようで見た目はとてもピースフルなのだが、もちろん彼らは人を殺しにきているわけで、そのギャップが面白い。

三島由紀夫の演説

なんか騒いでいる奴がいるなと思ったら、映像作品だった。三島由紀夫が市ヶ谷駐屯地にて起こしたクーデター「三島事件」の演説を再現した作品だった。三島事件という名前があることも先ほど知った程度の知識なので、2分ぐらい見て後にした。外人さんが一人熱心に見ていた(英語字幕付き)。

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演説する三島(本人)。映像作品の俳優はかなり似てた。

三島事件について調べてみると、三島の主張は憲法を改正して自衛隊を日本国軍にしようというものだった。憲法に「戦力は保持しない」とあるにも関わらず、兵器を保有する自衛隊は違憲である。さらに自衛隊は日本の歴史、文化を守るためではなく、(米国に都合のよい)新憲法を守るための軍隊になっている。アメリカの下部組織ではなく、憲法を改正して一国の軍隊として独立すべきとの主張だ。

三島事件のあらましを見て思い浮かぶのは、最近話題の集団的自衛権の行使容認。こちらは憲法はそのままで解釈によって他国の戦闘に介入していくもの(合ってる?)で、三島が黄泉路から戻ってきて、再び抗議の割腹自殺をしそうな話だ。集団的自衛権の行使容認の良し悪しはわからないが、国や軍隊のありかたを考えさせられる作品だった。

この記事を書くにあたり三島事件についてネットで調べるのだが、リンクを辿っていくうちに気がつくとあまり関係のないページを熱心に見ていたりする。そういうことが多いのでぐるっとパスの記事は時間がかかるのだが、知識を得るきっかけになるのところは、美術館巡りのメリットにひとつ。ネットを検索すれば大抵の情報は見つかるが、検索ワードの世話まではしてくれない。

あと室内は冷房がかなり効いている。暑い日は上着もコインロッカーに預けてしまいたくなるが、手持ちで鑑賞するのがオススメ。すぐ役に立ってくれると思う。

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